ダッシュボード
研究の現在地と活動の俯瞰
AIがデジタルサービスやプロダクト開発に急速に介在していくなかで、サービスの側は変わっていく一方、それを使う人間の認知の構造は根本的には変わらない。そのあいだで何が起きているのかを、ユーザーの認知・サービス設計・プロダクト開発などさまざまな観点から思考を回し整理していく研究。
ノーマンの7段階モデル——「目標 → 計画 → 行為の設定 → 実行 → 知覚 → 解釈 → 評価」——の認知プロセスの骨格は、AI時代でも変わらないのではないか。AIによってサービスやシステム、プロダクト開発自体は変わっていくが、人間がある目的を達成するために段階的に行動するという構造自体は変わらない。変わるのは中のインスタンスで、従来は頭の中で無意識的に行われていた目標の設定・意図の設計・行為の設計を、AIに伝えるために言語化する必要が出てくる。一方で実行はAIに自然言語で委任できるようになる。つまり認知負荷は「どう操作するか」から「どう言語化して伝えるか」へ移動している。
従来のUIにおけるメンタルモデルのミスマッチは、学習によって安定していく。AIとのインタラクションではこの前提が崩れる。挙動が非決定的で、同じ入力に同じ出力が返るとは限らない。AIが人間らしくふるまうほどユーザーはより人間的な期待を投影するが、それは完全な対人モデルではなく、「人間っぽいが統計的で非決定的な相手」というハイブリッドなメンタルモデルが形成されるのかもしれない。このあたりはまだ形がはっきりしない。
インターフェースの役割が「操作を補助する」から「言語化を補助する」へ転換しつつあるように見える。ChatGPT/Geminiのプロアクティブな深掘り提案、チャット欄の質問候補ボタン、Gensparkの統一入り口+目的別ショートカットの構成など、すでに「言語化支援」のUIパターンとして観察できる。
「言語化負荷」がどのような条件下で増減するか——領域・ユーザー属性・AIの応答スタイルによる違い
「ギャップの性質変化」を既存の評価指標(タスク達成率・SUS等)でどう捉えるか、あるいは新たな指標が必要か
既存の設計原則(ニールセンの10原則、Amershi et al. 2019のHAI18原則)との関係をどう整理するか