次回ゼミ用スライド構成案

作成日: 2026-05-03

位置づけ: ここまでの研究方針の総まとめを、次回ゼミで発表するためのスライド構成・内容案として整理するメモ。まだ HTML / pptx の完成版ではなく、発表のストーリーを固めるための設計図。


0. 発表の狙い

今回の発表は、単なる進捗報告ではなく、研究の方針がどのように組み替わったかを共有する発表にする。

特に伝えたいのは、研究対象が「特定の AI ツール」や「AI 活用ノウハウ」ではなくなり、変化の速い AI を研究として扱うために、AI が入り込んだ実践のどの要素を見ればよいのかを探る研究 として整理されつつあることである。

そのうえで、方法としては、AI 介在型実践におけるクリティカル・インシデントを記録し、ワークフロー上の位置、媒介物、外部化された判断基準の観点から分析する、という方針を示す。


1. 発表で最も伝えたい一文

本研究は、生成 AI や AI エージェントの急速な変化を背景に、AI が実行や生成を担う実践の中で、目的、制約、評価基準、暗黙知、人間の介入点がどのように外部化・媒介・再配置されるのかを整理し、変化の速い AI 介在型実践を研究として扱うための観察枠組みを探る。

この一文を、スライド全体の背骨にする。


2. スライド全体の構成案

現時点では、12〜14枚程度がよさそうである。前回のように内容を詰め込みすぎず、1枚1メッセージにする。

1. 表紙

タイトル案:
変化の速い AI を、どの観察軸で研究するか

サブタイトル案:
AI 介在型実践における判断・評価・媒介物・修復の記録へ

レイアウト: type-title


2. 今回伝えたいこと

主メッセージ:
研究の対象を「AIそのもの」から「AIが入り込んだ実践」に置き直した。

補足:
特定ツールの分析やAI活用ノウハウではなく、変化の速いAIを研究として扱うための観察軸を探る方向に整理している。

レイアウト: type-message


3. 背景:AI は実行や生成の場面に入り込んでいる

主メッセージ:
AI は情報を返すだけでなく、文章、スライド、UI、コードなどを実際に作る存在になりつつある。

内容:
ChatGPT / Claude / Gemini、Genspark / Canva AI、Figma Make / Claude Design、Cursor / Claude Code などを例に、AI がサービス利用・制作・開発・研究実践に入り込んでいることを背景として示す。

レイアウト: type-3col または type-cards


4. 問題:AI そのものを研究対象にすると古くなりやすい

主メッセージ:
変化が速い AI を、特定ツールや機能の分析だけで捉えるのは難しい。

内容:
モデル性能、UI、機能、ツール連携は短期間で変わる。そのため、ある時点のツール仕様だけを研究しても、前提がすぐに変わる可能性がある。

レイアウト: type-message


5. 置き直し:AI そのものではなく、AI が入った実践を見る

主メッセージ:
ツールが変わっても、AI に何かを任せる実践には繰り返し現れる要素がある。

内容:
目的、制約、評価基準、暗黙知、人間の介入点、媒介物、修復の手がかりを、変化しにくい観察軸の候補として示す。

レイアウト: type-split
右側に「AIそのもの」→「AIが入った実践」への視点移動を図解。


6. 上位方針:変化し続ける AI を、変化しにくい観察軸で捉える

主メッセージ:
研究の上位方針は、変化の速い AI を研究可能にする観察枠組みを探ること。

内容:
この研究は純粋なAI研究方法論ではない。具体的な実践ケースを題材にしながら、観察軸を整理する。

レイアウト: type-statement または type-message


7. 具体アプローチ:媒介物・ワークフロー・判断評価

主メッセージ:
上位方針を観察可能にするために、3つのレンズで見る。

内容:

  1. 媒介物: プロンプト、UI、README、skill、デザインシステム、チェックリスト
  2. ワークフロー: 依頼、生成、確認、評価、修正、再生成、採用判断
  3. 判断・評価: 何を良い / 違う / 使えると判断したか

レイアウト: type-3col


8. 方法:クリティカル・インシデント法を応用する

主メッセージ:
判断・評価・違和感・修復が露出する出来事を記録する。

内容:
CIT は、結果に影響した具体的な出来事を収集・分析する質的手法。本研究では、AI介在型実践において、判断や暗黙知が表に出る場面を記録するために応用する。

レイアウト: type-message


9. インシデントの単位

主メッセージ:
「AIを使った場面」すべてではなく、成果に影響した具体的出来事を記録する。

内容:
期待していた成果、実際の結果、なぜ critical か、出来事の直前・最中・直後、修復後の変化を記録する。

レイアウト: type-timeline または type-points


10. 題材:ツール名ではなく目的・実践タイプで選ぶ

主メッセージ:
ツール比較ではなく、目的・実践タイプごとにインシデントを集める。

内容:
文章・研究整理、資料・スライド生成、UI・デザイン生成、コード・実装支援の4タイプを初期候補として示す。

レイアウト: type-cards または type-3col


11. 対象者:人間一般ではなく、評価する実践者を見る

主メッセージ:
職能差を主題にしないが、文脈条件として必ず記録する。

内容:
実践者の立場、専門性、対象タスクとの関係、評価基準の有無、AI利用経験、組織的文脈を記録する。これにより「人間の判断」と粗く一般化しない。

レイアウト: type-compare
左: 人間一般として扱う危うさ / 右: 文脈条件として記録する方針


12. 初期調査計画

主メッセージ:
まずは少数の濃いインシデントで、記録フォーマットと観察軸を試す。

内容:
自分自身の AI 利用から 3〜5 件、次に 8〜12 件程度へ拡張。必要に応じて近い実践者に協力してもらう。記録フォーマットを試し、分析軸を調整する。

レイアウト: type-timeline


13. 期待する成果

主メッセージ:
成果は「AI活用ノウハウ」ではなく、AI介在型実践を見るための観察枠組みである。

内容:
媒介物、ワークフロー、判断・評価、修復のパターンを整理し、変化の速い AI を研究として扱うための足場をつくる。

レイアウト: type-message または type-cards


14. 相談したいこと

主メッセージ:
次に確認したいのは、研究の射程と方法の妥当性である。

相談項目:

  • 「観察枠組みを探る研究」として射程は妥当か
  • CIT の応用として方法は自然か
  • 実践タイプは広すぎないか / 狭すぎないか
  • 自分の実践から始める設計でよいか
  • 最終成果物をどう位置づけるべきか

レイアウト: type-points


3. 発表ストーリー

発表の流れは、次の順番がよさそうである。

  1. AI が実行や生成の場面に入り込んでいるという背景を置く
  2. ただし AI の変化が速く、特定ツール分析だけでは研究として扱いにくいと示す
  3. そこで、AI そのものではなく、AI が入った実践を見ると置き直す
  4. その実践の中で、媒介物・ワークフロー・判断評価を観察軸候補にする
  5. 判断や暗黙知が露出する場面を捉えるために、CIT を応用する
  6. 題材・対象者・文脈管理・初期調査計画を示す
  7. 最後に、方法と射程についてゼミで相談する

4. スライドのトーン

今回のスライドは、「結論が出た研究」ではなく、「研究可能な形に対象を切り出しつつある段階」として語る。

避けたいトーン:

  • AI 活用ノウハウを提示する
  • AI の失敗分類を確定させる
  • デザイナーやエンジニアに解決策を出す
  • CIT という方法名を前面に出しすぎる

出したいトーン:

  • 変化の速い対象をどう研究として扱うか
  • 観察軸をどう立てるか
  • 具体的な実践ケースからどう足場を作るか
  • まだ仮説段階だが、方法として検証可能な形が見えてきた

5. 図解したい箇所

図1: 視点の置き直し

AIそのものを追う
  モデル / UI / 機能 / ツール仕様
        ↓
AIが入った実践を見る
  目的 / 制約 / 評価基準 / 媒介物 / 修復

図2: 上位方針と具体アプローチ

上位方針
変化の速いAIを研究として扱う
        ↓
具体アプローチ
媒介物を見る / ワークフローを見る / 判断評価を見る
        ↓
方法
クリティカル・インシデントを記録・分析する

図3: インシデント分析の構造

期待していた成果
        ↓
AIへの依頼・媒介物
        ↓
AIの生成・実行
        ↓
違和感・判断・評価
        ↓
修復・媒介物更新
        ↓
観察軸の抽出

6. 次に作るスライドの方針

この構成で進める場合、次に slides/seminar_2026-05-03.html を作成し、同じ内容で .pptx も生成する。

スライドは 14 枚程度を目安にし、各スライドは「1枚1メッセージ」にする。図解は 3 箇所程度に絞り、スライド全体は「研究の現在地を相談する」トーンにする。